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文献詳細

雑誌文献

精神医学46巻1号

2004年01月発行

研究と報告

発作後精神病に伴い激しい自殺企図を認めた側頭葉てんかんの2例

著者: 清水研1 加藤昌明2 岡崎光俊3 小林由佳3 大沼悌一2

所属機関: 1東京都立豊島病院精神科 2むさしの国分寺クリニック 3国立精神・神経センター武蔵病院精神科

ページ範囲:P.59 - P.64

文献概要

抄録

 てんかん患者の自殺のリスクは高く,さまざまな原因が関与していると思われるが,発作後精神病に関連した自殺も数多く報告されている。今回我々は,発作後精神病による幻覚妄想状態から激しい自殺企図に至り,運良く救命できた2例を経験した。患者自身が回復後に自殺企図時のことを回想し,体験した精神症状を語ってくれた。両症例とも,著しい情動の高まりを伴った独特の幻覚妄想状態から自殺企図に至っていた。てんかん関連の精神症状の中で,発作後精神病は悲劇的な結果に至る可能性が高く,注意が必要である。発作後精神病が出現するてんかん患者には,厳密な発作コントロール,ソーシャルサポート,抗精神病薬の投与の必要性が示唆される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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