icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学46巻1号

2004年01月発行

研究と報告

社会恐怖を呈した一卵性双生児―その症状転帰の類似性と相違性

著者: 尾鷲登志美1 上島国利1

所属機関: 1昭和大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.65 - P.71

文献概要

抄録

 今回我々は,一卵性双生児の姉妹が同様の社会恐怖を呈した症例を経験したので,若干の考察とともにここに報告した。

 本2症例では一卵性双生児である上に類似した生活史を有していた。両者ともに全般性社会恐怖を呈し,自己記入式評価尺度や社会機能から最重症に評価された。しかし,病前性格や発症年齢,治療導入までの期間,回避性人格障害の併存,発症契機,認知行動療法導入の有無が異なっており,同様の薬物療法を施行していたが,治療転帰が異なっていた。同一の遺伝子を所有し,重症度が同程度である社会恐怖に罹患した場合でも,その他の要因によって異なる治療経過,転帰をとることが示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら