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雑誌詳細

文献概要

短報

高用量のFluvoxamineが奏効した強迫買いを含む衝動制御障害の1症例

著者: 山内健1 原田貴史1 大森哲郎1

所属機関: 1徳島大学医学部精神科

ページ範囲:P.73 - P.76

はじめに

 強迫買い(compulsive buying)は借金がかさみ困難な状況に追い込まれることを十分に認識しているにもかかわらず,買い物への衝動に抵抗できず,繰り返し買い物を行い,生活上著しい支障を来すという特徴を持つ6)。特に巨大なショッピング・モールを持つアメリカで大量の不必要な買い物を繰り返し行う強迫買いの症例が報告されてきた7)が,最近になってわが国でも注目されつつある。海外では強迫買いに対する選択的セロトニン再取り込み阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors:SSRIs)の有効性が報告されている2,4)が,本邦ではclomipramineを用いた著効例の報告9)があるのみでSSRIsによる有効例の報告はまだみられない。今回我々は300mgのfluvoxamineの投与により,強迫買いを主症状とする衝動行為が改善した症例を経験したので若干の考察を加え報告する。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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