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文献詳細

雑誌文献

精神医学46巻10号

2004年10月発行

文献概要

特集 精神科医療における介護保険制度

老人病院と介護保険

著者: 小阪憲司1

所属機関: 1福祉村病院

ページ範囲:P.1057 - P.1061

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はじめに

 介護保険制度と成年後見制度は,高齢社会を支える車の両輪として2000年4月に同時に発足した。それから5年目に入り,介護保険制度は種々の問題を含みながら,順調に国民の間に浸透しつつあり,福祉の場ではもちろんのこと,医療の場でも欠かすことのできない制度になってきている。あまり浸透していない成年後見制度と比較すると,状況は随分異なる。それは,なんらかの介護を必要とするときには,介護保険制度を利用しないと,種々の介護サービスが利用できないし,高額の費用を支払わなければならないからである。それはともかく,介護保険制度の導入により,特に痴呆性高齢者の在宅サービスは随分進展し,根本的な治療法がない痴呆性疾患の医療の現場でも在宅サービスの導入により医療がやりやすくなったことは大きな進展である。これについては,この特集の他の論文で述べられると思うので,ここでは老人病院における介護保険制度の現状と課題について,老年精神科医の目から眺めてみたいが,最初に簡単に介護保険施行後の経過をみておこう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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