文献詳細
短報
非定型抗精神病薬投与中clonazepam減量に伴いParkinson症候群を呈した1症例
著者: 成重竜一郎1 舘野周1 大久保善朗1
所属機関: 1日本医科大学精神医学教室
ページ範囲:P.1113 - P.1115
文献概要
clonazepamはbenzodiazepine受容体にagonistとして作用し,強い抗けいれん作用から抗てんかん薬として使用されている高力価benzodiazepine系薬剤である。また本邦では保険適用外ではあるが,他のbenzodiazepine系薬剤同様に抗不安薬,気分安定薬として使用されることや,あるいは本態性振戦,Restless legs syndromeなど神経内科領域の疾患に対する治療においても使用されている薬剤である。さらに近年では統合失調症の急性期治療において興奮,焦燥を軽減する目的での使用も広がりつつある7)。今回統合失調症の急性期治療において非定型抗精神病薬であるrisperidoneに加えてclonazepamを使用し,症状軽快後にclonazepamを減量したところParkinson症候群を呈した症例を経験したので若干の考察を加えて報告する。
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