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文献詳細

雑誌文献

精神医学46巻11号

2004年11月発行

文献概要

短報

MilnacipranとLithium carbonateの併用が著効した重症うつ病の1症例

著者: 沼田周助12 関由賀子2 笠原敏彦2

所属機関: 1徳島大学医学部神経精神医学教室 2国立国際センター精神科

ページ範囲:P.1215 - P.1218

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はじめに

 近年,わが国でもSSRI(セロトニン選択性再吸収阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン選択性再吸収阻害薬)の新規抗うつ薬が使えるようになり,気分障害の治療に新たな展開を見せている。その有効率については従来からある三環系抗うつ薬と同等であると言われており12,13),新規抗うつ薬に反応しない患者は多い。抗うつ薬に治療抵抗性のうつ病患者に対する治療戦略の1つとして,他の薬剤を付加することにより抗うつ薬の治療効果増強を図るaugmentation therapyが試みられ,付加薬剤としてリチウム1)(以下Liとする)や甲状腺ホルモン7)の有効性が報告されている。海外では新規抗うつ薬にもLiを追加投与することにより抗うつ効果が増強するということが報告されているが5,16),日本での報告はほとんどない。

 今回,我々は,SNRIであるmilnacipranに反応しなかった重症うつ病エピソード患者に対してLiを併用投与したところ著明にうつ症状の改善がみられたので,若干の考察とともに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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