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「第1回うつ病学会」印象記
著者: 広瀬徹也1
所属機関: 1財団法人神経研究所清和病院
ページ範囲:P.1240 - P.1241
文献購入ページに移動 1年間のうつ病アカデミーという研究会での準備期間をおいて,第1回うつ病学会は2004年7月2日,3日東京商工会議所ビルにおいて,野村総一郎防衛医科大学校教授を会長(理事長:上島国利昭和大学教授)として発足,開催された。参加者数についての蓋を開けるまでの関係者の心配はまったくの杞憂となって,この学会は期待以上の多くの人々に祝福されて産声をあげた。すなわち登録者850人,2日間の延べ参加者は1,400人を数えたというから関係者の嬉しい悲鳴が聞こえてくるようである。3日夕に行われた市民公開講座に至っては,朝日新聞広告局の協力があったとはいえ,500名の定員のところ6,000人もの応募者があった由で,うつ病に対する関心の高さは驚くばかりである。
これはとりもなおさず,うつ病が増えて(3年前の1.6倍で,これまでにうつ病を経験した人は約15人に1人といわれる)社会的にも大きな問題になっていることを意味しており,学会関係者は彼らの期待に応える責務の大きさを厳粛に受け止める必要があろう。別な見方をすれば,学会の発足がもっと前であってよかったことにもなるが,世界的にみても気分障害の国際学会(ISAD)が2年前に発足したばかりであるので,わが国が今年であったのはむしろ早いほうであったといえそうである。メインテーマの「うつ病─治す力と支える力」が示すように,ユーザー,家族を視野に入れた本学会の設立は,前述の国際学会にはないもので,先進的ですらある。
これはとりもなおさず,うつ病が増えて(3年前の1.6倍で,これまでにうつ病を経験した人は約15人に1人といわれる)社会的にも大きな問題になっていることを意味しており,学会関係者は彼らの期待に応える責務の大きさを厳粛に受け止める必要があろう。別な見方をすれば,学会の発足がもっと前であってよかったことにもなるが,世界的にみても気分障害の国際学会(ISAD)が2年前に発足したばかりであるので,わが国が今年であったのはむしろ早いほうであったといえそうである。メインテーマの「うつ病─治す力と支える力」が示すように,ユーザー,家族を視野に入れた本学会の設立は,前述の国際学会にはないもので,先進的ですらある。
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