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文献詳細

雑誌文献

精神医学46巻12号

2004年12月発行

文献概要

研究と報告

覚せい剤依存症成人患者における注意欠陥/多動性障害の既往―Wender Utah Rating Scaleを用いた予備的研究

著者: 松本俊彦12 上條敦史23 山口亜希子4 岡田幸之1 吉川和男1

所属機関: 1国立精神・神経センター精神保健研究所司法精神医学研究部 2横浜市立大学医学部精神医学教室 3神奈川県立精神医療センターせりがや病院 4関東学院大学カウンセリング・センター

ページ範囲:P.1289 - P.1297

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抄録

 我々は,男性覚せい剤依存症の成人患者34名について,Wender Utah Rating Scale(WURS)を用いて注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の既往に関する評価,および,AD/HDの病歴を有する覚せい剤依存症の臨床的特徴に関する調査を行った。その結果,覚せい剤依存症者の55.9%が,WURSにおける英語版のカットオフ点以上の得点をした。また,WURSにおいてAD/HDの既往が疑われる群では,小・中学校時代の不登校の経験が多く,違法薬物の初体験年齢が低く,物に対して粗暴な傾向を自覚している者が多かった。また,Beck Depression Inventory-2およびBulimia Investigatory Test of Edinburghの得点が有意に高く,抑うつ的傾向および過食傾向が推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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