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研究と報告
データマイニングによる非統合失調症性精神病群の幻聴所見の検討―満田の非定型精神病からの考察
著者: 深津尚史1 深津栄子2 安藤琢弥1 鈴木滋3 兼本浩祐3 林拓二4
所属機関: 1松蔭病院 2杉田病院 3愛知医科大学精神科学教室 4京都大学医学部附属病院精神科神経科
ページ範囲:P.1307 - P.1315
文献購入ページに移動幻聴は意識混濁を伴う気分障害や急性一過性内因性精神病でも認められるが,操作的診断基準ではschizophrenic symptomsとして一括して扱われ,統合失調症との症候学的相違が明確でない。今回,統合失調症や気分障害に分類困難な幻聴を伴う非統合失調症性精神病群の症候学的特徴をデータマイニングの手法から再考察した。方法として,幻聴のある精神疾患54例の半構造化面接所見を多変量解析し,統合失調症と非統合失調症性精神病群の幻聴類型上の分布を比較した。その結果,統合失調症では自我体験型や自我障害型に,非統合失調症性精神病群では対象体験型や夢幻様型の類型に分布が偏倚し,満田の非定型精神病概念を彷彿させる。
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