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研究と報告
昏迷状態を呈したCNSループスの1例―免疫学的指標と123I-IMP SPECTを用いた病態の評価
著者: 松本良平1 北林百合之介1 上田英樹1 吉田卓史1 木下清二郎1 国澤正寛1 岸川雄介1 福居顯二1
所属機関: 1京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学
ページ範囲:P.149 - P.153
文献購入ページに移動昏迷状態を呈したCNSループスの1例を経験し,髄液免疫学的指標とSPECTを用いて継時的に評価する機会を得た。本症例では,精神症状の活発な時期にはIL-6,抗ribosomal P抗体,抗neuronal抗体の上昇が認められ,症状の軽快に伴って低下した。SPECTにおいては,臨床症状の改善に伴い,異常な脳血流分布パターンは改善し,同時に平均定量脳血流値は低下した。本症例で認められた,症状改善に伴う髄液各種抗体価の低下,血流分布パターンの改善および定量脳血流値の低下は,CNSループスによる中枢神経系での炎症機転が,治療により改善したことを反映している可能性があると考えられた。
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