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研究と報告
髄液HCV抗体反応を認めた進行麻痺の1例
著者: 正山勝1 畑中史郎2 北端裕司1 郭哲次1 篠崎和弘1
所属機関: 1和歌山県立医科大学神経精神科 2社会保険紀南綜合病院新庄別館精神神経科
ページ範囲:P.155 - P.160
文献購入ページに移動髄液においてHCV抗体が陽性を示した進行麻痺の症例を経験した。症例は52歳,男性。痴呆症状を主とした進行麻痺で,悪性症候群,慢性C型肝炎,誤嚥性肺炎を合併し死亡した。髄液においてHCV抗体反応を調べたところ,RIBAではc100p(-),c33c(2+),c22p(±),NS5(1+),SOD(-),第3世代抗体では6.7で陽性を示した。今回の結果は,血清からの移行抗体であった可能性もあり,HCVの中枢神経への親和性を積極的に支持するとまではいえなかったが,髄液中でHCV抗体が陽性を示したとする報告は過去にみられず,その臨床的意義については今後の症例の蓄積,検討を待つ必要があると思われた。
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