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短報
非定型抗精神病薬服用患者におけるインスリン抵抗性
著者: 八尾博史1 大林長二1 橋本喜次郎1 須藤徹1 高島由紀1 福田賢治1
所属機関: 1国立肥前療養所臨床研究部
ページ範囲:P.199 - P.201
文献購入ページに移動2001年に本邦で非定型抗精神病薬のフマル酸クエチアピンとオランザピンが発売され,錐体外路系の副作用が少ない4)ことから大きな期待をもって迎えられた。しかし,残念なことに両薬剤による高血糖,糖尿病性ケトアシドーシス,糖尿病性昏睡(死亡例を含む)が報告され,2002年4月オランザピンと同11月クエチアピンに緊急安全性情報が出された。両薬剤ともに糖尿病の患者,糖尿病の既往歴のある患者には禁忌とされたが,高血糖を引き起こす機序は十分に解明されたとはいえず,危険な高血糖予防のための対策はいまだ十分ではない。Newcomerら6)は,非定型抗精神病薬オランザピンとクロザピンは定型抗精神病薬に比し,有意な血糖上昇をもたらし,その機序としてインスリン抵抗性があることを指摘した。本邦の報告では,非定型抗精神病薬による重篤な高血糖を来した症例は清涼飲料水の多飲がそのきっかけとなっていることが多く,清涼飲料水の多飲が可能で,検査結果の異常値への対応が遅れやすい外来通院中の患者に特に危険性が高い2)。そこで本研究では,当所外来通院中の統合失調症患者のうち非定型抗精神病薬服用例の糖代謝異常について検討したので報告する。
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