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文献詳細

雑誌文献

精神医学46巻3号

2004年03月発行

研究と報告

神経性無食欲症患者における体重回復に伴う認知機能の変化に関する検討

著者: 北林百合之介1 上田英樹1 加嶋晶子1 岡本明子1 小尾口由紀子1 成本迅1 和田良久1 山下達久1 福居顯二1

所属機関: 1京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学

ページ範囲:P.243 - P.248

文献概要

抄録

 神経性無食欲症(AN)女性患者10名を対象に,入院治療による十分な体重回復の前後でWMS-R,WAIS-Rの下位項目の一部,Reyの複雑図形,Trail Making Test,Stroop Testを行い認知機能の評価を行った。いずれの項目でも低体重期に比べて体重回復後には成績の改善が認められた。AN患者では低体重期には,注意,記憶,視空間能力,前頭葉機能などの障害が存在し,体重回復に伴いこれら障害が改善することが示された。AN患者は低体重期には精神療法に反応しにくいことが多いが,この理由のひとつとして認知機能障害の存在が考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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