文献詳細
研究と報告
作業所通所中の統合失調症患者のエンパワーメントに対するソーシャルサポートの影響―東京都と福島県の患者および健常者の比較
著者: 畑哲信1 畑馨2 前田恵子3 阿蘇ゆう1 藤田(秋山)直子1 金子元久4 辻井和男5 浅井久栄3 柴田貴美子3 岩崎さやか3 瀬川聖美6 皆己純恵7 吉本真紀8
所属機関: 1福島県精神保健福祉センター 2福島県立医科大学神経精神医学講座 3東京大学医学部附属病院精神科デイホスピタル 4福島赤十字血液センター(元,福島県精神保健福祉センター) 5練馬駅前メンタルクリニック(元,東京大学医学部附属病院精神科デイホスピタル) 6共同作業所銀杏企画Ⅰ 7共同作業所銀杏企画Ⅱ 8共同作業所銀杏企画Ⅲ
ページ範囲:P.257 - P.263
文献概要
精神障害者作業所に通所中の統合失調症患者80名(東京都33名:T群,福島県47名:F群)を対象とし,健常者60名(健常群)を比較対照として,自記式のアンケートによってエンパワーメントおよびソーシャルサポートを評価した。エンパワーメント指標については,F群,T群ともにC群よりも有意に低かった(p<0.05)が,ソーシャルサポート指標はF群はC群よりも有意に低いものの(p<0.05),T群ではC群と有意差がなかった。共分散分析の結果,エンパワーメント指標には群の効果および一部においてソーシャルサポートの効果が有意であった(p<0.05)。精神障害者の地域生活促進においてエンパワーメントを積極的に高めることが必要と考えられ,その方策について考察した。
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