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文献詳細

雑誌文献

精神医学46巻3号

2004年03月発行

文献概要

短報

パロキセチンの大量服薬により昏睡と瞳孔散大を呈し,セロトニン症候群の不全型と考えられた1例

著者: 和気洋介1 岸本由紀2 山田了士1 大西勝1 黒田重利1

所属機関: 1岡山大学大学院医歯学総合研究科精神神経病態学教室 2国立岩国病院神経精神科

ページ範囲:P.291 - P.293

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はじめに

 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は三環系抗うつ薬とほぼ同等の抗うつ効果が期待されている。一方で抗うつ作用のみならず抗不安作用に優れているため,うつ病のみでなく不安障害にも広く使用されている。しかしその強いセロトニン阻害作用から,セロトニン症候群といった重篤な副作用出現の可能性があるため十分な注意が必要である1,7)。近年,セロトニン症候群では典型例はむしろまれであり,不全型ともいうべき軽症例が多いとされている4,8)。今回我々は,摂食障害として治療中にparoxetineの大量服薬により,昏睡と瞳孔散大を呈したセロトニン症候群の不全型と考えられた1例を経験し,瞳孔径の測定も早期診断のために重要であると考えられたため報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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