文献詳細
研究と報告
統合失調症患者が作成した「ぬり絵」の全体的印象―健常者との比較から
著者: 岩満優美1 堀江昌美2 林美和2 甘庶裕美2 西井美恵2 山田尚登1 大川匡子1
所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座 2滋賀医科大学医学部附属病院精神科神経科
ページ範囲:P.373 - P.379
文献概要
統合失調症患者の「ぬり絵」から受ける印象について,健常者との比較により検討した。78名の大学生が,統合失調症患者と健常者が作成した合計8枚の「ぬり絵」を印象評定した。
それらを因子分析した結果,「色の整合性」「色の軽快さ」「色の強弱」の3因子が抽出され,それぞれの因子得点を統合失調症患者と健常者とで比較した。その結果,統合失調症患者の作成した「ぬり絵」は健常者のそれらと比較して,すべての因子において得点が低く,統合失調症患者が作成した「ぬり絵」は,まとまりに乏しく整合性に欠け,暗く冷たく寂しく重く,やや弱い印象を与えることがわかった。
掲載誌情報