文献詳細
研究と報告
社会不安障害患者における大うつ病性障害の生涯診断
著者: 永田利彦1 大嶋淳1 和田彰1 山田恒1 太田吉彦1 山内常生1 池谷俊哉1 切池信夫1
所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学
ページ範囲:P.381 - P.387
文献概要
社会不安障害患者98例を対象に,半構造化面接を用いて,大うつ病性障害のcomorbidityとの関連について検討した。その結果51例(52%)が大うつ病性障害の生涯診断を有していた。大うつ病性障害の生涯診断を有していた群のほうが有意に無職の率が多く,現在の社会機能が低く,単一恐怖,強迫性障害のcomorbidityが高く,自己視線を気にする率も高かったが,全般型率,発症年齢などに差はなかった。しかし,社会不安障害は大うつ病の生涯診断の有無に関係なく,人生の早期に発症している例が多く,全般型の率が高く,未婚率が高く,社会機能に重大な影響を及ぼしていることがうかがえた。
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