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研究と報告
摂食障害の転帰調査
著者: 中井義勝1 成尾鉄朗2 鈴木健二3 石川俊男4 瀧井正人5 西園マーハ文6 高木洲一郎7
所属機関: 1京都大学医学部保健学科 2鹿児島大学医学部附属病院心身医療科 3国立療養所久里浜病院 4国立精神・神経センター国府台病院心療内科 5九州大学医学部附属病院心療内科 6東京都精神医学総合研究所児童思春期研究部門 7自由が丘高木クリニック
ページ範囲:P.481 - P.486
文献購入ページに移動関東,関西,九州地区の内科と精神科6施設につき初診後4~15年経過した摂食障害患者を対象に転帰調査を行い,回答のあった477例(回収率57%)について解析した。摂食障害分類はDSM-IVの診断基準に準拠した。摂食障害の治療状況・予後に関する転帰調査票を用いた。調査時,回復53%,部分回復10%,摂食障害37%,死亡7%であった。死因は病死22例,自殺8例,その他4例であった。初診時の病型別に見た回復は,神経性無食欲症制限型(62%)と神経性大食症非排出型(64%)で高かった。死亡は神経性無食欲症むちゃ食い/排出型(18%)で高かった。初診年齢,罹病期間,最小体格指数,排出行動,comorbidityと行動の障害が予後と関連していた。
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