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文献詳細

雑誌文献

精神医学46巻5号

2004年05月発行

文献概要

研究と報告

Paroxetine内服中に低ナトリウム血症を来し,SIADHと診断された2高齢患者

著者: 市村麻衣12 森田幸代1 田中和秀1 廣兼元太1 下田和孝3 山田尚登1 大川匡子1

所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座 2西山病院 3獨協医科大学精神神経医学

ページ範囲:P.505 - P.511

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抄録

 近年うつ病の治療に選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が使用される頻度が高まってきているが,今回我々は,うつ病治療に対してSSRIであるparoxetineの投与開始後に低Na血症を来しSIADHと診断された高齢患者2例(72歳男性,75歳女性)を経験した。この2症例は本邦におけるparoxetineによるSIADHの初めての報告である。paroxetineの1日投与量は20mg/日であり,投与開始後,各々16日目,2日目で低Na血症の症状である全身倦怠,嘔気,意識障害が出現し,血清Na濃度(最低値)は,それぞれ122mEq/l,107mEq/lであった。paroxetine投与を中止し,水制限を行って血清Na濃度の補正を行ったところ速やかに上記症状は消失した。特に高齢者に対してSSRIを投与する際には注意が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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