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研究と報告
慢性期精神科病棟入院患者のQOL(Quality of Life)に関する研究
著者: 松下年子1 松島英介1 木野村睦2 宮本康史2 新貝憲利2
所属機関: 1東京医科歯科大学大学院心療・緩和医療学分野 2成増厚生病院
ページ範囲:P.621 - P.627
文献購入ページに移動慢性期精神科病棟入院患者のQOLの実態,およびQOLに関連する臨床要因,環境要因,生活要因などを明らかにすることを目的に,年単位の長期入院生活を送っている女性統合失調症患者を対象として,聞き取り調査を実施した。その結果,平均年齢55.8歳の対象者の平均EuroQol得点は,おおむね一般人口における70~80歳代女性のそれに相当していた。また臨床要因との関連では,精神症状(BPRS)が,特に陽性,陰性の両症状に限定されることなく精神症状全体としてQOLに関連していた。精神症状の強い者のほうがそうでない者よりもQOLは低かった。また生活要因では,喫煙者のほうが非喫煙者よりもQOLが高い傾向が認められた。
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