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研究と報告
強迫性障害(OCD)に関する9施設共同研究―半年間の総初診患者におけるOCD患者の割合,およびその臨床像に関する検討
著者: 松永寿人1 切池信夫1 大矢健造1 守田嘉男2 中井丈夫3 福居顕二4 山下達久5 吉田卓史4 多賀千明6 岸本年史7 徳山明広8 洪基朝7 米田博9 西田勇彦9 稲田泰之9 木下利彦10 柳生隆視10 越智友子10 武田雅俊11 中尾和久12 渡邊章11 前田潔13 千郷雅史13 中嶋照夫14
所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学 2兵庫医科大学医学部精神神経科 3宝塚市立病院 4京都府立医科大学医学部精神科 5国立舞鶴病院 6京都第二赤十字病院精神科 7奈良県立医科大学精神科 8三重県こころの医療センター 9大阪医科大学医学部神経精神科 10関西医科大学医学部精神神経科 11大阪大学大学院医学研究科精神医学 12甲南女子大学人間科学部 13神戸大学医学部精神神経科 14彿教大学
ページ範囲:P.629 - P.637
文献購入ページに移動近畿圏の大学付属病院8施設を含む9つの総合病院精神科において,半年間の各施設の初診患者を対象とし,(1)総初診患者中,DSM-IVのOCDの診断基準を満たすものの割合,(2)OCDと診断された患者の臨床像,などについて調査した。総初診患者中のOCD患者の割合は,1.75~3.82%と算定され,OCD患者で認めた患者背景や臨床特徴,強迫症状の内容や重症度,各種心理テスト,および男女間比較などは,従来の報告とほぼ一貫した結果であった。これらは,OCDに関する信頼性の高い多施設研究の可能性を支持するものと考えたが,参加施設の特性に関連したバイアス,例えば都市圏の総合病院であることや専門外来の有無などの影響もうかがわれた。
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