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文献概要

研究と報告

社会不安障害におけるパーソナリティー障害―大うつ病性障害との関連

著者: 永田利彦1 大嶋淳1 和田彰1 山田恒1 太田吉彦1 山内常生1 池谷俊哉1 切池信夫1

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学

ページ範囲:P.685 - P.690

抄録

 社会不安障害の本邦におけるパーソナリティー障害の併存率の報告はほとんどなく,SAD以外のI軸障害とII軸障害の関連が検討されることはなかった。そこで,98例の社会不安障害患者を対象にパーソナリティー障害の併存率を検討し,さらに大うつ病性障害の生涯診断との関連を検討した。その結果,86例(88%)に回避性パーソナリティー障害,31例(32%)に強迫性パーソナリティー障害,それぞれ18例(18%)に依存性と妄想性パーソナリティー障害,16例(16%)に自己敗北型パーソナリティー障害を認めた。その中で,妄想性,自己敗北型パーソナリティー障害のみが大うつ病性障害の生涯診断群に有意に多かった。このようなことから,社会不安障害に直接関連するパーソナリティー障害がある一方,大うつ病性障害の生涯診断を持つ場合に併存することが多いパーソナリティー障害があった。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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