文献詳細
研究と報告
社会的ひきこもりの家族支援―家族教室の結果から
著者: 畑哲信1 前田香1 阿蘇ゆう1 廣山祐治2
所属機関: 1福島県精神保健福祉センター 2福島県立医科大学神経精神医学講座
ページ範囲:P.691 - P.699
文献概要
社会的ひきこもりを抱える16名の家族を対象として,7日間の家族教室を行い,開始時および終了時に一般健康調査票(GHQ),家族機能評価尺度(FAD)を測定した。開始時検査で,GHQ陽性の家族が7名(43.5%)と,家族への負担の大きさがうかがわれた。検査を完了できなかった家族ではGHQが特に高得点で,負担が大きい家族に対する介入の継続性の問題が示された。全体としては家族教室の効果はいずれの指標にも有意ではなかった。一部のケースに本人への支援を行ったが,支援した家族ではしなかった家族と比較して家族機能の有意な改善が得られた(p<0.05~p<0.01)。支援の是非の判断にはGHQが有用であった
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