文献詳細
文献概要
研究と報告
46歳時に情動脱力発作が出現したナルコレプシーの1例
著者: 竹内暢13 内村直尚1 小鳥居湛2 小峰史香2 前田久雄1
所属機関: 1久留米大学医学部神経精神医学講座 2小鳥居諫早病院 3横須賀市立うわまち病院
ページ範囲:P.709 - P.714
文献購入ページに移動35,6歳時に睡眠発作で発症し,46歳時に情動脱力発作が出現したナルコレプシーの症例を経験した。ナルコレプシーの診断は,睡眠障害国際分類によると,情動脱力発作を必須とする基準と,主に終夜ポリグラフ所見などを必須とする基準の2本立ての構造になっている。診断を行う際には,病歴聴取は,情動脱力発作の確認が行われれば,睡眠時無呼吸症候群などのその他の過眠症との鑑別は容易であるが,情動脱力発作がない症例や晩発する症例では,終夜ポリグラフ等の客観所見が必要であり,情動脱力発作の存在にこだわり過ぎると診断の機会を逸する恐れがある。このような症例においては,HLA検査や髄液オレキシン検査も,早期診断の一助になると考えられた。
掲載誌情報