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文献詳細

雑誌文献

精神医学46巻8号

2004年08月発行

文献概要

巻頭言

精神科医としての30年

著者: 林拓二1

所属機関: 1京都大学大学院神経精神科

ページ範囲:P.790 - P.791

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 私が大学を卒業した1970年の初め,「精神医学」誌に西丸四方先生の「巻頭言」が掲載されていた。その「我亡霊を見たり」は,西丸先生が30数年の臨床医としての経験を経た上で綴った文章であるが,私もまた30数年を精神科医として過ごし,ふと,西丸先生の当時の感慨とどのような差異があるのだろうかと考えている。

 当時の西丸は,そこで概略次のように書いている。「大学にいたころは荒廃とか早発性痴呆というものはなくなったものと妄想していた。しかし,精神病院に勤めるようになると,昔私が治療して治ったと思った患者が亡霊となって病院に沈殿しており,私の名前を覚えていて呼びかけてくる」と。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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