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巻頭言
精神科医としての30年
著者: 林拓二1
所属機関: 1京都大学大学院神経精神科
ページ範囲:P.790 - P.791
文献購入ページに移動 私が大学を卒業した1970年の初め,「精神医学」誌に西丸四方先生の「巻頭言」が掲載されていた。その「我亡霊を見たり」は,西丸先生が30数年の臨床医としての経験を経た上で綴った文章であるが,私もまた30数年を精神科医として過ごし,ふと,西丸先生の当時の感慨とどのような差異があるのだろうかと考えている。
当時の西丸は,そこで概略次のように書いている。「大学にいたころは荒廃とか早発性痴呆というものはなくなったものと妄想していた。しかし,精神病院に勤めるようになると,昔私が治療して治ったと思った患者が亡霊となって病院に沈殿しており,私の名前を覚えていて呼びかけてくる」と。
当時の西丸は,そこで概略次のように書いている。「大学にいたころは荒廃とか早発性痴呆というものはなくなったものと妄想していた。しかし,精神病院に勤めるようになると,昔私が治療して治ったと思った患者が亡霊となって病院に沈殿しており,私の名前を覚えていて呼びかけてくる」と。
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