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研究と報告
非単純ヘルペス脳炎患者の経時間的SPECT所見
著者: 橋本直樹1 森清2 本間次郎3 中島幸治1 栃木昭彦1 朝倉聡1 北川信樹3 志賀哲4 小山司3
所属機関: 1市立稚内病院精神神経科 2市立小樽第二病院 3北海道大学大学院医学研究科神経機能学講座・精神医学分野 4北海道大学大学院医学研究科病態情報学講座・核医学分野
ページ範囲:P.827 - P.833
文献購入ページに移動意識障害が遷延した非単純ヘルペス脳炎の1例に,経時的にSPECT検査を施行した。症例は37歳男性で,意識障害を主訴に来院した。MRIでは異常所見を認めなかったが,髄液検査とSPECT検査の所見より,非単純ヘルペス脳炎と診断した。意識障害がいったん軽快した後に再度増悪し,この際のSPECT検査の所見より脳炎の再増悪と判断し,抗ウイルス剤を投与したところ良好な結果を得ることができた。本症例によって,SPECTが脳炎において,特にMRIで異常所見を呈さないような症例で,急性期の診断のみならず,亜急性期,慢性期の病勢の判定にも有用である可能性が示唆された。
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