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文献詳細

雑誌文献

精神医学46巻8号

2004年08月発行

文献概要

研究と報告

高機能自閉症とアスペルガー障害における顔の表情についての自動的処理とその発達的変化

著者: 神尾陽子1 齊藤崇子1 山本幸子2 井口英子3

所属機関: 1九州大学大学院人間環境学研究院 2国立生理学研究所 3大阪府立中宮病院

ページ範囲:P.835 - P.844

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抄録

 自閉症とアスペルガー障害における対人的障害は,意識されないコミュニケーションの自動的側面の障害と密接に関連することが明らかになっている。本研究は,閾下で呈示される顔の表情に対して,自動的な情動反応が高機能広汎性発達障害の児童青年において生じるかどうかを,閾下プライミングの手続きを用いて検証した。その結果,児童では定型発達群,高機能広汎性発達群ともに表情によるプライミングが生じなかった。青年では,定型発達群においてのみ表情による閾下プライミングがみられたが,高機能広汎性発達障害群では顔の表情の有無はプライミングに影響しなかった。これらより,自閉症とアスペルガー障害における対人的処理の自動的側面の機能不全が示され,扁桃体仮説と症状形成における経験要因の関与の可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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