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Perospironeによって精神病後抑うつが改善した統合失調症の1例
著者: 都甲崇12 内門大丈2
所属機関: 1横浜舞岡病院 2横浜市立大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.865 - P.867
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精神病後抑うつ(postpsychotic depression)は,統合失調症の急性期後に出現するうつ状態を指し,1976年にMcGlashanとCarpenterによって初めて記載された3)。統合失調症の経過中には気分障害症状がさまざまな形で出現することがあるが,精神病後抑うつは自殺企図に帰結することもあることから特に注意が必要である9)。精神病後抑うつに対する薬物治療には抗うつ薬が用いられることもあるが,抗うつ薬の使用は精神症状を賦活する可能性もあり,その有効性については一定の見解が得られていない。今回筆者らは,risperidoneによる急性期症状の改善後に出現した精神病後抑うつに対して,perospironeを追加し症状の改善が得られたと考えられる1例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。
精神病後抑うつ(postpsychotic depression)は,統合失調症の急性期後に出現するうつ状態を指し,1976年にMcGlashanとCarpenterによって初めて記載された3)。統合失調症の経過中には気分障害症状がさまざまな形で出現することがあるが,精神病後抑うつは自殺企図に帰結することもあることから特に注意が必要である9)。精神病後抑うつに対する薬物治療には抗うつ薬が用いられることもあるが,抗うつ薬の使用は精神症状を賦活する可能性もあり,その有効性については一定の見解が得られていない。今回筆者らは,risperidoneによる急性期症状の改善後に出現した精神病後抑うつに対して,perospironeを追加し症状の改善が得られたと考えられる1例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。
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