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研究と報告
摂食障害の予後評価に対するEating Disorder Inventory(EDI)の有用性について
著者: 中井義勝1
所属機関: 1京都大学医学部保健学科
ページ範囲:P.941 - P.945
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転帰調査を行った神経性無食欲症(AN)129例と,神経性大食症(BN)77例を対象に,初診時に実施したEating Disorder Inventory(EDI)の予後評価に対する有用性を検討した。転帰はANで良好45%,軽快28%,不良27%,BNで良好56%,軽快18%,不良26%であった。AN転帰の3群間に有意差のあったのは,EDIの総得点,やせ願望,大食,身体像不満,無力感,内界への気づきであった。多変量解析で,無力感と大食がANの予後予測因子であった。一方,BNでは3群間に有意差のある項目はなかった。以上の結果から初診時に実施したEDIはANの予後評価に有用だが,BNには有用でなかった。
転帰調査を行った神経性無食欲症(AN)129例と,神経性大食症(BN)77例を対象に,初診時に実施したEating Disorder Inventory(EDI)の予後評価に対する有用性を検討した。転帰はANで良好45%,軽快28%,不良27%,BNで良好56%,軽快18%,不良26%であった。AN転帰の3群間に有意差のあったのは,EDIの総得点,やせ願望,大食,身体像不満,無力感,内界への気づきであった。多変量解析で,無力感と大食がANの予後予測因子であった。一方,BNでは3群間に有意差のある項目はなかった。以上の結果から初診時に実施したEDIはANの予後評価に有用だが,BNには有用でなかった。
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