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研究と報告
てんかん外科手術後に間歇性爆発性障害を呈した内側側頭葉てんかんの2例
著者: 和田健12 山田了士2 鈴木啓嗣2 黒田重利2 榎日出夫3 大守伊織3 真柳佳昭4
所属機関: 1広島市立広島市民病院精神科 2岡山大学精神神経病態学教室 3岡山大学発達神経病態学教室 4東京警察病院脳神経外科
ページ範囲:P.947 - P.953
文献購入ページに移動難治性の内側側頭葉てんかんに対する側頭葉切除術後に,間歇性爆発性障害を発症した2例について報告した。2例とも手術により良好な発作コントロールが得られていたにもかかわらず,家族のみにほぼ限定された激しい攻撃性,衝動性を間歇的に認めた。これらの症状は薬物療法と心理社会的支援により徐々に安定した。側頭葉切除後に発症した間歇性爆発性障害の報告はなく,扁桃核海馬切除術は情動の表出や制御に関与する神経ネットワークに機能的不均衡を来しうると考えられた。てんかん手術後には発作コントロールのみでなく,患者の持つ心理社会的困難を含めた精神医学的評価も必要不可欠である。
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