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研究と報告
妄想に対する認知療法の効果―集団形式を利用した臨床研究
著者: 石垣琢麿1 道又襟子2 大久保ゆうこ2 小池のぞみ2 平山佐織3 葉柴陽子3
所属機関: 1横浜国立大学教育人間科学部 2丹沢病院 3横浜国立大学大学院教育学研究科
ページ範囲:P.955 - P.962
文献購入ページに移動妄想に対する認知療法の効果研究はわが国ではいまだ少ない。本研究では薬物療法抵抗性の妄想をもつ統合失調症入院患者8名に対して,個別介入を含む柔軟な構造の集団認知療法を実施した。その結果,妄想の発生状況が明確になり何らかの対処行動がとれるようになった。また,BPRS総合得点と妄想に関する確信度・コントロール不能性・行動阻害度は治療終了6か月後まで改善が維持された。しかし,個人的重要度・反証に対する抵抗度は治療終了後元のレベルに戻った。長期間異常体験が続き,妄想が親和的になっている患者に対しても認知療法の有効性が示唆された一方,治療期間や薬物療法との関連についてさらなる検討が必要と考えられた。
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