精神医学47巻1号

2005年01月発行

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短報

塩酸ミルナシプラン投与中に幻視が出現した1例

著者： 荒木一方¹ 今村文美²

所属機関： ¹東京逓信病院精神科 ²福井記念病院

ページ範囲：P.87 - P.90

はじめに

　塩酸ミルナシプランは現在本邦唯一のSNRI(serotonin noradrenaline reuptake inhibitor)として，広く使用されるようになってきている。今回，ミルナシプラン投与中にシャルル・ボネ症候群(Charles Bonnet Syndrome)類似の幻視が出現した1例を経験した。我々が調べた限りでは，ミルナシプラン投与中に幻視が出現したという報告は見当たらないので，幻視の出現とセロトニン神経系との関連も含めて若干の考察を加えて報告する。なお，症例のプライバシーを考慮し，論の大筋に影響しない範囲で若干の変更を加えてある。

参考文献

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2) 朝田隆：老年期精神障害. 臨床精神医学講座12. 中山書店，pp156-157，1998

3) 藤沢嘉勝，横田修，中田謙二，他：幻視を含むせん妄様症状に対して塩酸ドネペジルが有効であったレビー小体型痴呆が疑われた4臨床例：精神科治療学 17：1299-1305，2002

4) 原健二，飯島節，中村重信，他：パーキンソン病における種々の精神症状と血中levodopaの動態：臨床神経学 27：846-851，1987

5) 堀広子，吉村玲児：Valproic acidが効果的であったCharles Bonnet症候群と片側性の幻聴を合併した1例：臨精薬理 3：399-403，2000

6) 井上猛，小山司，村崎光邦：精神科薬物療法．臨床精神医学講座14．中山書店pp96-103，110-119，1999

7) 伊藤侯輝，谷川知子，森清他：一過性に特異な幻視を呈した1高齢男性例：精神医学 45：501-507，2003

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9) Titeler M, Lyon RA, Glennon RA：Radioligand binding evidence implicates the brain 5-HT2 receptor as a site of action for LSD and phenylisopropylamine hallucinogens：Psychopharmacology 94：213-216, 1988

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