文献詳細
短報
統合失調病型人格障害患者における漠然とした認知,コミュニケーション・スタイルの評価
著者: 小羽俊士12 熊沢佳子1
所属機関: 1相模ケ丘病院 2青山渋谷メディカルクリニック
ページ範囲:P.93 - P.96
文献概要
DSM-IVによる「統合失調型人格障害」1)の患者は,精神科の臨床には随伴する不安や抑うつなどを主訴に現われてくることが多く,しばしばそのコミュニケーション・スタイルに若干の弛緩や曖昧さなどの特徴があることが知られている。彼らの不安や抑うつの訴え方は非常に漠然としており,こうした主観的な体験について「何がどのように」といった説明がうまくできないことが臨床的にはよく経験されることである。
今回の研究は,統合失調型人格障害患者におけるこうした認知,コミュニケーション・スタイル上の特徴を数量的に評価し,上記のような臨床的な印象を確認することが目的である。つまり,主観的な体験をコミュニケーションすることを要求される課題を与えられた時に,統合失調型人格障害の患者は健常者と比較してより漠然とした認知や表現を使いやすいかどうかを評価した。
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