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文献詳細

雑誌文献

精神医学47巻1号

2005年01月発行

文献概要

短報

統合失調病型人格障害患者における漠然とした認知,コミュニケーション・スタイルの評価

著者: 小羽俊士12 熊沢佳子1

所属機関: 1相模ケ丘病院 2青山渋谷メディカルクリニック

ページ範囲:P.93 - P.96

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はじめに

 DSM-IVによる「統合失調型人格障害」1)の患者は,精神科の臨床には随伴する不安や抑うつなどを主訴に現われてくることが多く,しばしばそのコミュニケーション・スタイルに若干の弛緩や曖昧さなどの特徴があることが知られている。彼らの不安や抑うつの訴え方は非常に漠然としており,こうした主観的な体験について「何がどのように」といった説明がうまくできないことが臨床的にはよく経験されることである。

 今回の研究は,統合失調型人格障害患者におけるこうした認知,コミュニケーション・スタイル上の特徴を数量的に評価し,上記のような臨床的な印象を確認することが目的である。つまり,主観的な体験をコミュニケーションすることを要求される課題を与えられた時に,統合失調型人格障害の患者は健常者と比較してより漠然とした認知や表現を使いやすいかどうかを評価した。

参考文献

1) American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders 4th ed (DSM-IV). APA, Washington DC, 1994
2) Docherty NM:Communication deviance, attention, and schizotypy in parents of schizophrenic patients. J Nerv Ment Dis 181:750-756, 1993
3) Singer MT, Wynne LC:Thought disorder and family relations of schizophrenics:III. Methodology using projective techniques. Arch Gen Psychiatry 12:187-200, 1965
4) Velligan DI, Mahurin RK, Eckert SL, et al:Relationship between specific types of communication deviance and attentional performance in patients with schizophrenia. Psychiatry Res 70:9-20, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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