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「国際老年精神医学会アジア太平洋地域会議」印象記
著者: 数井裕光1
所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科未来医療開発専攻精神医学
ページ範囲:P.104 - P.105
文献購入ページに移動 国際老年精神医学会(International Psychogeriatric Association;IPA)のAsia Pacific Regional Meetingが2004年9月8日の夕方から11日の午前中まで韓国,ソウルの新羅ホテルで開催された。新羅ホテルは韓国政府関連の行事が頻回に行われる韓国随一の格式を誇るホテルとのことであったが,近代的な高層ビルであるMain Buildingの一部とこれに隣接するYeong bin Gwanという韓国の宮殿を摸した非常に美しい迎賓館とが会場であった。Yeong bin Gwanには美しい庭園があり,学会初日のWelcome Receptionはこの庭園で行われた。中央にIPAのシンボルマークを氷でかためた彫像があり涼しさを演出するとともに,弦楽三重奏の生演奏があり心地よい夜を満喫した。参加者は主催国の韓国の研究者が最も多かったが,日本からの参加者も多かった。その他,香港,台湾,インド,フィリピン,オーストラリア,ニュージーランド,イギリス,アメリカなどの国々からも多くの研究者が参加していた。
さて今回の学会のテーマはMental health of the elderly in rapid aging societyであった。プログラムは老年精神医学に関する多岐の分野にわたり,5つのplenary session,15のsymposium,5つのoral session,98のposter発表から構成されていた。アジアのさまざまな国でも,わが国同様に高齢化とそれに伴う痴呆疾患を含む精神疾患の増加が社会的な問題となっていることがさまざまな演題からうかがわれた。演題は主催国である韓国の研究者のものが最も多かった。Mini Mental State Examination,改訂版長谷川式簡易痴呆スケール,Neuropsychiatric Inventory(NPI),Geriatric Depression Scaleなどの精神評価尺度の韓国版の標準化研究に関する演題も多く,これらの尺度を用いて今後,韓国でもさまざまな臨床研究が行われるであろうと思われた。
さて今回の学会のテーマはMental health of the elderly in rapid aging societyであった。プログラムは老年精神医学に関する多岐の分野にわたり,5つのplenary session,15のsymposium,5つのoral session,98のposter発表から構成されていた。アジアのさまざまな国でも,わが国同様に高齢化とそれに伴う痴呆疾患を含む精神疾患の増加が社会的な問題となっていることがさまざまな演題からうかがわれた。演題は主催国である韓国の研究者のものが最も多かった。Mini Mental State Examination,改訂版長谷川式簡易痴呆スケール,Neuropsychiatric Inventory(NPI),Geriatric Depression Scaleなどの精神評価尺度の韓国版の標準化研究に関する演題も多く,これらの尺度を用いて今後,韓国でもさまざまな臨床研究が行われるであろうと思われた。
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