icon fsr

雑誌詳細

文献概要

研究と報告

注視強迫で5年間悩んでいた若者への母子関係再教育併用の外来森田療法

著者: 田代信維1 帆秋孝幸1

所属機関: 1帆秋病院

ページ範囲:P.1063 - P.1068

抄録

 薬物療法のみの治療に抵抗する強迫性障害は少なくない。本症例は5年前海外留学中に対人恐怖から視線恐怖となり,さらに注視強迫が出現し,外出しづらく4つの大学を転々とし,校医から数種類の抗うつ薬SSRIの処方を受けたが症状は軽快せず,増量で副作用に苦しんでいた。2年前帰国し,行動療法や薬物療法による治療を受けたが,病状の改善がみられず,自閉的な生活を余儀なくされて,当院を紹介された。治療は,常用量の薬物療法に加えて,外来森田療法を主軸に,母子関係再教育を行った。その結果,症状の改善だけでなく自尊心が回復し,5か月で再就職したが,さらに自己主張や感情表出など日常行動面でも変化がみられ,1年以上順調に経過している。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?