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文献詳細

雑誌文献

精神医学47巻10号

2005年10月発行

研究と報告

妄想的確信に満ちた加害感を訴える青年期症例

著者: 石坂好樹1 太田多紀2

所属機関: 1立命館大学産業社会部 2京都桂病院精神科

ページ範囲:P.1069 - P.1076

文献概要

抄録

 妄想性障害という範疇には,多様な病態が含まれているが,我々は妄想性障害と診断できるが,今まで報告されたことがないと思われる症例を経験したので,報告した。この症例は,他人に対して,「蹴った」とか「殴った」とか「殺した」といった加害妄想を執拗に訴え,しかもその行為を行っている映像が見え,行った感覚が手や足に残っていると訴えた。そして,この症状はpimozideによって著しく軽減した。

 この症例の特異性についての考察に加えて,この症例と他の妄想性障害の異同や今までに報告された「加害妄想」を訴える症例との異同,さらには強迫性障害やトゥーレット障害との関連などについて若干の考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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