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文献詳細

雑誌文献

精神医学47巻10号

2005年10月発行

文献概要

研究と報告

アスペルガー障害に強迫性障害を合併し認知行動療法が奏功した1例

著者: 松井徳造1 松永寿人1 小波蔵かおる1 鈴木太1 宮脇大1 大矢健造1 前林憲誠1 切池信夫1 河辺譲治2

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学 2大阪市立大学大学院医学研究科核医学研究室

ページ範囲:P.1103 - P.1111

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抄録

 症例は21歳の男性。アスペルガー障害(AD)と診断されていたが,高校2年の頃から正確性に関するこだわりと,繰り返しの儀式行為を認めた。これに伴いトイレに5時間以上要するなど日常生活全般にも著しい支障が生じた。ADおよび強迫性障害(OCD)と診断されSSRIならびに暴露反応妨害法による治療を施行するも効果は不十分であった。入院治療にてモデリング,ペーシングを中心とした行動療法を施行したところ強迫症状が軽減し,アルバイトを始めるなど機能全般の改善を認めた。またSPECT検査で入院時には全脳血流量の低下を呈したが,退院時には大脳基底核での血流改善を認め,ADを基盤とするOCDの脳画像所見における特異性がうかがえた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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