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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

身体醜形障害のcomorbidityを有する社会不安障害について

著者: 永田利彦1 片岡浩平1 山田恒1 切池信夫1

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学

ページ範囲:P.1113 - P.1118

抄録

 近年,身体醜形障害(以下BDDと略す)が注目されている。BDDが社会不安スペクトラムに含まれるのではないかとの指摘もある。そこで,今回,社会不安障害(以下SADと略す)におけるBDDの併存を検討した。対象はSAD患者178例で,SADの診断にはDSM-IVを用い,C項目は「経過中の一時期には」,過剰または不合理であることを認識しているとした。「身体的な醜さが悟られるのではないか」を質問した際に,BDDに関しても質問した。その結果,51例(29%)がDSM-IVのBDDに合致した。BDDあり群はBDDなし群に比べ低年齢で,ひきこもりであった率が高く,SAD,抑うつの臨床評価尺度得点が高得点であった。薬物療法を行った症例の1/3で有効であった。このように,SADにおいてBDDの併存は頻繁にみられ,全体的な重症度と関連していた。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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