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短報
フルボキサミンの中断により軽躁状態となった1例
著者: 加藤大慈1 松村雄彦1 河西千秋1 日野博昭2 平安良雄1
所属機関: 1横浜市立大学医学部精神医学 2ほうゆう病院
ページ範囲:P.1119 - P.1122
文献購入ページに移動抗うつ薬の中断により断薬症候群が生じ得ることが従来から知られているが2),近年発売され,本邦でも頻用されている選択的セロトニン再取り込み阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitor;SSRI)においても,断薬症候群の症例が報告されている11)。今回我々は,フルボキサミンの中断によって軽躁状態が生じたと考えられる1例を経験した。抗うつ薬を投与後に躁転することがあるということはよく知られているが3),抗うつ薬の中断による躁転についての報告は,本邦ではまだない。フルボキサミンの中断による躁転については,これまでに海外からの報告が1例あるのみである9)。フルボキサミンなどの抗うつ薬を中断または減量する時に注意を要すると考えたので,本人の同意を得て報告する。
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