文献詳細
文献概要
短報
植え込み型除細動器を装着した大うつ病性障害患者への修正型電気けいれん療法を施行した1例
著者: 眞鍋雄太1 内藤宏1 春名純一2 内山達司3 渡邉英一3 平光伸也3 竹田清2 菱田仁3 岩田仲生1
所属機関: 1藤田保健衛生大学医学部精神医学教室 2藤田保健衛生大学医学部麻酔科学教室 3藤田保健衛生大学医学部循環器内科学教室
ページ範囲:P.1123 - P.1126
文献購入ページに移動根拠に基づく医療(evidence based medicine, EBM)が精神医学領域にも浸透しつつある昨今,過去の使用実態などの否定的な印象から一時忌避されていた電気けいれん療法(electroconvulsive therapy,以下ECT)ではあるが,その科学的な検証が積まれ,有用性の再認識がなされるようになってきた。薬物療法,精神療法のみでの限界を認める症例は相当数あり,実際の臨床場面にあって,ECTは満足すべき治療成績を収めている。当科でのECTは,1998年6月10日付けで日本総合病院精神医学会・日本臨床麻酔学会の電気けいれん療法研究合同小委員会によって提言された,精神科電気けいれん療法の実践指針(第1次試案)に基づいて施行されており5),適応疾患は2001年にAPAが提言したガイドラインに沿っている2)。
今回植え込み型除細動器(Implantable Cardioverter Defibrillator,以下ICD)を装着した大うつ病性障害に対し,修正型電気けいれん療法(modified ECT,以下m-ECT)を施行し有効であった1例を経験した。一連の経験の中にあって,同時にクリニカルパス策定も行ったので,併せて報告する。なお,こうした症例は,我々の知る限り,少数例が海外で報告されているのみであり1,3,4,6),施行に際し,本人および家族に,十分な説明と同意を得て行った。
掲載誌情報