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文献詳細

雑誌文献

精神医学47巻10号

2005年10月発行

動き

「第101回日本精神神経学会」印象記

著者: 小路純央1

所属機関: 1久留米大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.1148 - P.1149

文献概要

 第101回日本精神神経学会総会が,2005年5月18~20日の3日間にわたり,山内俊雄(埼玉医科大学)会長,野村総一郎(防衛医科大学校)副会長のもと,埼玉大宮ソニックシティで開催された。会期中多少の雨は降ったものの,天候はおおむね良好であり,会場が大宮駅前という立地条件もあってか,会場には連日多数の方が参加され,2,000名近い参加数であった。本総会の基本テーマが「精神医学・医療の専門性の確立を目指して」というものであり,精神医学・医療が急速に細分化され,専門化されていく中で,本年度からいよいよ本学会認定の専門医制度が開始されることや,本年7月15日に施行された医療観察法などについても十分な議論がなされ,例年にも増して内容が充実したものであった。

 まず,プログラムについてであるが,山内会長の会長講演として,「日本精神神経学会の歴史と課題」,特別講演として,Allan Tasman教授による「Standards for psychiatric residency training and certification:Issues for institutions and program graduates」のタイトルで,卒後教育,専門医に関連した講演があった。シンポジウムも20セッション(110演題),教育講演14題,精神医学研修コース14題,ランチョンセミナー3題の他に,今年度から新たにワークショップ5セッション(15演題)と,専門医制度の開始に伴い,専門医を目指す人の特別講座7演題が設けられ,さらに緊急特別企画として,昨年12月26日に発生したスマトラ沖地震に関連して,「スマトラ沖津波被災国援助特別シンポジウム」が行われた。一般演題が口演,ポスター併せて155題と例年よりやや少なかったものの,演題内容としては,臨床精神医学,精神医学教育,診断と治療,介護と福祉,司法精神医学,倫理や哲学,将来への展望などなど,すべての精神医学の分野が網羅されていたといっても過言でないくらい,多岐にわたっていたように思われる。最終日には市民公開講座が,丸田俊彦先生の「アメリカの子犬は甘えるか?」,野村総一郎副会長の「うつ病はどこまで治せるか」のタイトルで2題行われ,一般にも開かれた学会であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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