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文献詳細

雑誌文献

精神医学47巻11号

2005年11月発行

特集 電気けいれん療法

従来型電気けいれん療法:その歴史と教訓

著者: 一瀬邦弘1

所属機関: 1都立豊島病院

ページ範囲:P.1165 - P.1171

文献概要

電気けいれん療法(ECT)の黎明期

 1. 精神医学での共時性の証明

 かつて精神医学が前例のない治療的楽観主義に満たされていた時代があった。20世紀初頭から,第2次世界大戦が燃え盛るまでに一致する。まずマラリア熱療法がWagner-Jauregg(1917)によって行われた。進行麻痺に対するこの療法は,抗生物質の発明によって駆梅療法が発展するまで汎用された。持続睡眠療法のKlaesi(1922)の後に,インシュリンショック療法のSakel(1933)と精神外科に関するMoniz(1935)の発表は同時期であった。こうした治療技法はある時期に一斉に花開いた感がある。電気けいれん療法(ECT)はこの時代に突如として現れた(CerlettiとBini 1938)。

 わが国でも同じ頃,九州大学精神科の安河内五郎,向笠広次の2人の青年医師によって,ECTの開発が行われていた。93歳を迎えられた新福尚武名誉教授は熱をこめて語る。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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