文献詳細
特集 電気けいれん療法
文献概要
電気けいれん療法(ECT)の黎明期
1. 精神医学での共時性の証明
かつて精神医学が前例のない治療的楽観主義に満たされていた時代があった。20世紀初頭から,第2次世界大戦が燃え盛るまでに一致する。まずマラリア熱療法がWagner-Jauregg(1917)によって行われた。進行麻痺に対するこの療法は,抗生物質の発明によって駆梅療法が発展するまで汎用された。持続睡眠療法のKlaesi(1922)の後に,インシュリンショック療法のSakel(1933)と精神外科に関するMoniz(1935)の発表は同時期であった。こうした治療技法はある時期に一斉に花開いた感がある。電気けいれん療法(ECT)はこの時代に突如として現れた(CerlettiとBini 1938)。
わが国でも同じ頃,九州大学精神科の安河内五郎,向笠広次の2人の青年医師によって,ECTの開発が行われていた。93歳を迎えられた新福尚武名誉教授は熱をこめて語る。
1. 精神医学での共時性の証明
かつて精神医学が前例のない治療的楽観主義に満たされていた時代があった。20世紀初頭から,第2次世界大戦が燃え盛るまでに一致する。まずマラリア熱療法がWagner-Jauregg(1917)によって行われた。進行麻痺に対するこの療法は,抗生物質の発明によって駆梅療法が発展するまで汎用された。持続睡眠療法のKlaesi(1922)の後に,インシュリンショック療法のSakel(1933)と精神外科に関するMoniz(1935)の発表は同時期であった。こうした治療技法はある時期に一斉に花開いた感がある。電気けいれん療法(ECT)はこの時代に突如として現れた(CerlettiとBini 1938)。
わが国でも同じ頃,九州大学精神科の安河内五郎,向笠広次の2人の青年医師によって,ECTの開発が行われていた。93歳を迎えられた新福尚武名誉教授は熱をこめて語る。
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