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文献詳細

雑誌文献

精神医学47巻11号

2005年11月発行

文献概要

特集 電気けいれん療法

自治体病院における電気けいれん療法の現状と問題点

著者: 佐々木青磁1

所属機関: 1北海道立緑ヶ丘病院

ページ範囲:P.1179 - P.1189

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はじめに

 電気けいれん療法(electroconvulsive therapy:以下,ECT)は,旧来より精神科の治療法の一つとして用いられてきたが,本邦での対象,実施方法,転帰などについての詳しい全国調査は渉猟した範囲では,中島ら4),本橋ら3)の報告などがあるに過ぎない。近年,修正型ECTの普及や2002年にはパルス波治療器の認可など,手技および治療機器の安全性も向上してきており,ECTの有用性が見直されてきている。しかし,その歴史的背景からも情報公開されにくい側面を有しており,実施状況も十分に明らかになっているとは言い難い。今後の議論を進めるためにも全国規模での実態調査が必要と考えられた。

 筆者の属する全国自治体病院協議会(以下,全自病協)精神科特別部会情報小委員会では,ECTの実態を調査してその分析結果を公表し,実施するにあたっての指針策定に寄与することを目的に,2001年8月,全自病協会員医療機関において2000年度に施行されたECTに関してアンケート調査を行ったのでその結果を報告する。

 表および図において,修正型ECTとは静脈麻酔下にて筋弛緩剤を用いて施行するタイプを指し,従来型ECTとは静脈麻酔下にて筋弛緩剤を用いずに施行し,けいれんを伴うタイプを指す。特に断りがない限り,単にECTと記した場合は修正型ECT,従来型ECTの両者を含む。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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