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文献概要

研究と報告

成人期の注意欠陥/多動性障害(adult AD/HD)患者群の事象関連電位(ERPs)の健常者群と統合失調症患者群との比較検討

著者: 板垣俊太郎12 岡野高明3 森由紀子1 宮下伯容1 高梨靖子1 石川大道1 橋上慎平1 森幹1 丹羽真一1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部神経精神医学講座 2双葉厚生病院精神科 3熊本大学医学薬学研究部臨床行動学科

ページ範囲:P.1233 - P.1239

抄録

 DSM-Ⅳで,成人AD/HD(38名),統合失調症(39名)と診断された患者群と健常者群(40名)の事象関連電位(ERPs)の比較検討を行った。その結果,成人AD/HDでは随意的注意を示す後期Ndで振幅の減衰がみられ,前頭連合野の機能障害の存在が考えられた。そして,P300の振幅の減衰からは随意的な認知に障害があるといえるが,その障害の程度は統合失調症群よりは軽いと考えられた。 また,小児AD/HD群は健常児群よりもP300の振幅が低下しており,潜時が延長していると報告されることが多いが,成人AD/HD患者の今回の我々の検討においてもこの傾向は認められた。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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