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文献詳細

雑誌文献

精神医学47巻11号

2005年11月発行

文献概要

研究と報告

うつ病重症度スケールの妥当性検討―四大学における調査をもとに

著者: 小泉暢大栄1 塩入俊樹2 染矢俊幸2

所属機関: 1新潟大学医歯学総合病院精神科 2新潟大学大学院医歯学総合研究科精神医学分野

ページ範囲:P.1241 - P.1254

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抄録

 以前我々は東京大学心療内科により開発された,抑うつ気分,興味の喪失および無価値感の3項目から構成される,うつ病重症度スケール(DSS)に関し,新潟大学医歯学総合病院精神科外来初診患者を対象に妥当性を検討し報告した。今回我々は福島県立医科大学,金沢大学,大阪市立大学の協力を得て,四大学で以下の調査をもとにDSSの妥当性を検討した。

 対象は,2003年10~11月の2か月間に上記四大学の精神科を受診したすべての新患外来患者609名で,DSM-IV-TR診断に加えて患者および精神科医によるDSS評価を施行した。DSSの妥当性の指標を検討した結果,各大学間での違いはほとんどなく,四大学の平均は,感度80.1%,特異度61.3%,陽性的中度50.3%,精度67.4%となり,既報とほぼ同様の値をとったことから,DSSの有効性が再確認された。

 また,プライマリ・ケアにおいても,3項目の厳密な評価に習熟すること,偽陽性群に含まれる主要な疾患の知識を持つことで,DSSはうつ病の診断に有用なtoolになる可能性があると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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