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短報
修正電気けいれん療法施行後に呼吸停止と心電図上心室頻拍を呈した統合失調症の1例
著者: 稲田健1 高橋恵1 井上彩1 新井民江2 佐々木毅3 宮岡等1
所属機関: 1北里大学医学部精神科 2北里大学医学部麻酔科 3北里大学医学部循環器内科
ページ範囲:P.1259 - P.1261
文献購入ページに移動精神疾患に対する電気けいれん療法(electro-convulsive therapy;ECT)は1938年Cerlettiらにより始められた。強直間代性けいれんによる骨折防止目的の筋弛緩薬と,患者の恐怖心や苦痛を軽減する目的の静脈麻酔薬を併用する修正電気けいれん療法(modified electro-convulsive therapy;mECT)は欧米では1960年代より行われており,わが国でも2002年に総合病院精神医学会により実施指針5)が提示され本格的に普及しつつある。mECTは筋弛緩薬や麻酔薬を使用するため,麻酔医の呼吸・循環管理の下で施術されることが推奨されている。北里大学東病院精神科病棟では,2000年よりmECTを手術室において麻酔医の管理下で行っている。今回,我々はmECTの施行後に突然の呼吸停止と,それに続く心室頻拍(Ventricular tachycardia;VT)を呈したが,麻酔医の迅速な対応により後遺症なく回復した1例を経験し,モニターによる呼吸循環管理の重要性を再認識したので報告する。
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