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書評
実践・女性精神医学―ライフサイクル・ホルモン・性差
著者: 小澤寛樹1
所属機関: 1長崎大学医学部精神神経科
ページ範囲:P.1265 - P.1265
文献購入ページに移動 本年度の精神神経学会において,女性のメンタルヘルスケアについてのワークショップに参加し,その後本書を手に取ることになった。ワークショップではフロアの女性外来に従事する医療者からの発言が絶えず,さまざまな年代,診療科の立場からの意見が交錯した。女性外来の多くは行政からのTop to Downの形で設立されている経緯があり,程度の差はあるものの,女性,または男性精神科医師として,患者が女性のみと特化された外来で,時に政策絡みの諸問題のある分野に取り組むことへの戸惑いや苦悩が多く出されていた。本書はそういった女性のメンタルヘルスケアに従事する医療者を含め,最近広がりを見せている女性専門外来にかかわる医療者,あるいは将来この分野の医療を志す学生に推薦できる一冊である。
章立てはライフサイクルごとに,女性に起こり得る変化の提示で構成されていて,全章において豊富な文献の引用の下に,性差医療の観点から身体疾患,脳機能の男女間の差について生物学的に検討されている。また多くの図説と,具体的な症例の提示があり,現場で働く医療者にとって,女性のメンタルヘルスケアを包括的に学びたいというニーズを満たすものであり,また必要な時に調べることができる辞書的な役割も十分に果たしてくれる一冊と考える。
章立てはライフサイクルごとに,女性に起こり得る変化の提示で構成されていて,全章において豊富な文献の引用の下に,性差医療の観点から身体疾患,脳機能の男女間の差について生物学的に検討されている。また多くの図説と,具体的な症例の提示があり,現場で働く医療者にとって,女性のメンタルヘルスケアを包括的に学びたいというニーズを満たすものであり,また必要な時に調べることができる辞書的な役割も十分に果たしてくれる一冊と考える。
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