精神医学47巻12号

2005年12月発行

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研究と報告

肺がん患者に対する短期グループ療法の効果

著者： 塗師恵子¹² 松原良次¹³ 原田眞雄⁴ 磯部宏⁴ 佐高晶子⁵ 今川民雄⁵

所属機関： ¹独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター精神科神経科 ²北星学園大学社会福祉研究科 ³特定医療法人社団慶愛会札幌花園病院 ⁴独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター呼吸器科 ⁵北星学園大学

ページ範囲：P.1277 - P.1283

抄録

　肺がん男性患者を対象に心理教育的プログラムに加え，集団精神療法的技法を用いて感情を取り扱うことに重点を置いた短期グループ療法プログラムを考案し，精神状態に対する効果を対照群と比較検討した。日本版POMSを用いて評価した結果，対照群では有意な変化が認められなかったのに対して，短期グループ療法施行群では，TMD得点，活気尺度が有意に改善し，情緒の安定性，活気が増していることが認められた。また，抑うつ，疲労，緊張および怒り尺度においても，改善傾向が示された。短期グループ療法は肺がん男性患者に対する精神的サポートとして有用である可能性が示唆された。