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研究と報告
神経性無食欲症の心拍変動について
著者: 中井義勝1 坂本智子1 藤田正俊1 野間俊一2 林拓二2
所属機関: 1京都大学医学部保健学科 2京都大学医学部精神科神経科
ページ範囲:P.261 - P.265
文献購入ページに移動14例の神経性無食欲患者(AN群)と,22例の健常人(10例のやせ群と12例の正常群)を対象に,心電図を記録し,心拍変動解析ソフトを用いて,スペクトル解析を行った。健常人においては,RR間隔は副交感神経機能を表現する高周波数領域(HF)とは正の相関が,交感神経機能を表現する低周波数領域(LF)とHFの比(LF/HF)とは負の相関があった。しかし,AN群ではRR間隔はHF,LF/HFいずれとも相関がなく,AN群では,健常人と異なり心拍数調節が自律神経によって調節されていなかった。さらにAN群では罹病期間がLH/HFと正の相関があった。すなわち罹病期間の長いAN患者は交感神経機能が亢進していた。
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