文献詳細
研究と報告
若年統合失調症者における改訂版Wechsler成人知能検査の臨床的検討
著者: 服部功1 内田隆子1 落合明子1 宮内利郎1
所属機関: 1静岡県立こころの医療センター
ページ範囲:P.285 - P.289
文献概要
改訂版Wechsler成人知能検査を受けた若年統合失調症者で,本研究への協力に同意した24名(男性4名)を対象とし,同検査の下位検査で,便宜的に得点の個人内差が1以上の場合を高得点,-1以下の場合を低得点とし,「対象者の症状・問題行動」「低得点の下位検査」「高得点の下位検査」における項目間の関連を検討した。この検討から,「修学困難や実務処理の拙さから自閉性が生じているかもしれない」「実務処理能力の低さが身体化の心理機制につながっているかもしれない」「ある知的機能が低下を示す一方で,別の機能が良好に保たれている可能性」が示された。患者ごとに知的機能を検討することで,患者の障害に応じた援助を提供し得ると思われた。
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